ハマベコムシヒキとハマベニクバエ

 海岸、特に砂浜が残された環境が豊かな場所では別の環境では目にすることができない種を見かけることがあります。海浜環境は開発などの影響で改変され、今では絶滅が懸念されている海浜性昆虫種も少なくありません。砂浜が残っている環境下で比較的目につきやすい種としてムシヒキアブ科のハマベコムシヒキ Stichopogon infuscatus Bezziとニクバエ科のハマベニクバエ Sarcophaga alba (Schiner)の2種がいます。

 ハマベコムシヒキは台湾を模式産地とし、国内では本州、四国、九州で記録があります。本種はムシキヒアブ科の種の中では小型であり、体長は10mm以内です。海浜の砂上や海浜植物上に飛来する個体が多く確認され、体色からもわかりやすい種です。

 ハマベニクバエは海外では東洋区に生息し、国内では南西諸島から本州まで分布しています。本種も海浜の砂上や植物上に飛来する個体が多くみられ、幼虫は魚などの動物の死骸を摂食するといわれています。ニクバエ科は同定のために雄の腹部を解剖し、形態観察を行う必要があるものが多いですが、本種は全体的に白色を呈しており、野外でも同定することができる種です。

 海浜性の生き物は昆虫種に限らず、植物等においても希少な種が確認されています。それらの分布や生息状況を把握することが保全のために重要であるため、得られた知見を発信していければと考えています。

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