双翅(ハエ)目とは

 このグループでは、通常前翅と後翅合わせて4枚の翅をもつ他の有翅昆虫類とは異なり、後翅2枚が平均棍という平衡感覚を保つための器官に変形しているため、翅が2枚しかありません。本目は長角(カ)亜目と短角(ハエ)亜目の2グループに大きく分けられます。長角亜目は触角の節数が多いカのなかまから、短角亜目は触角の節数が少ないアブやハエのなかまから構成されます(一部例外があります)。

 双翅目は昆虫類の中でも特に種数が多いグループの一つであり、世界から160,000種以上、日本からは約8,000種が確認されています。実際には多くの未記載種や未記録種が存在しているため、研究が進めばさらに多くの種が発見されるでしょう。

 ハエやアブ、カのなかまには腐敗したものに集まる習性をもつ種、人や他の動物から吸血する種が知られています。また、農作物を食害するものもいるため、害虫としてのイメージを持つ方が多いと思われます。一方で、花粉媒介や動物の死骸等の分解など、生態系では重要な役割を担っています。

 双翅目の研究者が少ないことなどから、身近な環境でも未記載種が発見されたり、新しい知見が得られることが多々あります。このグループの情報を随時発信していきたいと考えているため、ご参考になれば幸いです(また、間違いなど発見されたらご指摘いただければと思います)。

タイトルとURLをコピーしました