形態形質(体色や翅脈、刺毛の数など)に基づいて目内のどのグループに属すのかを同定といいます。なお、双翅目は未記載種や未記録種が多いグループとされ、プロの研究者が調べても種レベルで同定できない場合があります。また、一部のグループを除き、日本語で記された文献で種まで同定することは難しいです。
まず、双翅目全体の科や属、形態等の一般的な特徴を調べる際に有用な日本語の文献として、2008年に北隆館から出版された「新訂 原色昆虫大圖鑑 第III巻(トンボ目・カワゲラ目・バッタ目 他篇)」があり、科までの検索表に加え、一部のグループでは種までの検索表も記述されています。また、英文であれば入手がやや難しいかもしれませんが、1997ー2000年にScience Heraldから出版された「Contributions to a Manual of Palaearctic Diptera」がおすすめです。他に、出版から年数が経過していますが、カナダ農業省から出版された「Manual of Nearctic Diptera」があり、Web上でダウンロードすることができます。
科や属まで同定することができた後、それぞれの分類群にとってのおすすめの文献や調べ方を紹介するページを随時作成していきたいと考えています。また、標本の作り方や採集法などについても別のページを作成したいと考えています。