双翅目の採集・標本作成

 双翅目昆虫は地球上の海から高山帯までの様々な環境に適応しており、南極大陸や塩湖にも生息する種がいます。また、屋内でも生ごみや排水の汚れを放置するとショウジョウバエ科やチョウバエ科といった双翅目のなかまが発生することがあります。これらの双翅目の種の採集法については網によって直接採集したり、トラップを用いて採集したりする方法があります。

 採集した個体の標本作成については、乾燥標本を作成することが最もおすすめですが、体が脆い、乾燥すると原型を留めない種や幼虫などは70~80%濃度のエタノールに液浸標本として保存する方法もあります。また、体が小さく、高倍率の状態でないと観察できない種や体の一部分を解剖して詳細に観察したい場合には、生物(光学)顕微鏡を用いて観察できるようにプレパラート標本を作成する場合があります。さらに、標本からDNAの配列を調べたい場合には、殺虫方法や標本作成方法について注意すべき点があります。今後これらの内容についてそれぞれ説明するページを随時作成していきたいと考えています。

参考文献

熊澤辰徳・須黒達巳(2024)ハエ ハンドブック.文一総合出版,東京.176 pp.
須島充昭(2001)◆小型双翅類勉強ノート 永久プレパラート標本の作製法.はなあぶ,11:106-107.

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